はじめに:「様式は手に入れたけど、何を書けばいいかわからない」
小規模事業者持続化補助金に申請しようと公募要領をダウンロードすると、様式2(経営計画書兼補助事業計画書)と様式3(補助事業計画書②)が出てきます。
様式を開くと、大きな空欄がいくつか並んでいるだけ。記入例はあっても、**「この欄には具体的に何を、どの程度の分量で書くべきか」**までは説明されていません。
この記事では、様式2・様式3の各欄について、「何を書くか」「何文字程度が目安か」「審査員が見ているポイントは何か」を1つずつ解説します。
様式2:経営計画書兼補助事業計画書①
様式2は大きく分けて4つのセクションで構成されています。
<経営計画>1. 企業概要
何を書くか:
- 事業の全体像(何を作っている/売っている/提供しているか)
- 創業年、従業員数、事業形態
- 主な商品・サービスと売上構成
- 立地・商圏の特徴
分量の目安: 300〜500字
審査員が見ているポイント: 審査員はあなたの事業を全く知りません。この欄を読んだだけで「何をやっている事業者か」がわかるように書く必要があります。「○○業です」で終わらず、具体的な商品名・顧客層・売上規模を数字で示してください。
悪い例: 「飲食店を経営しています。地域のお客様に愛される店づくりを目指しています。」
良い例: 「2019年創業の和食居酒屋で、○○駅から徒歩3分に位置しています。席数28席、従業員3名(うちパート2名)。メインの顧客層は30〜50代の会社員で、平日のランチ(客単価950円、日平均42名)と夜の宴会(客単価4,500円、月平均12組)が売上の柱です。直近の年商は約1,800万円です。」
<経営計画>2. 顧客ニーズと市場の動向
何を書くか:
- ターゲット顧客が抱えている課題・ニーズ
- 市場全体のトレンド(成長している/縮小している/変化している)
- 業界の競合状況
- 外部環境の変化(技術、法規制、社会的変化)
分量の目安: 400〜700字
審査員が見ているポイント: 「市場を理解している事業者か」を判断する欄です。ポイントは、一般的な市場データだけでなく、自分の商圏における実感を含めることです。
書き方のコツ:
- 統計データを1つ引用する(○○協会調べ、○○市の人口動態など)
- 自分の顧客から直接聞いた声を1つ入れる
- 競合は社名を出す必要はないが、「商圏内に同業が○軒あり、そのうち○軒がEC対応済み」のように具体的に
<経営計画>3. 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
何を書くか:
- 他社と比べた際の明確な差別化ポイント
- 技術力、ノウハウ、実績、立地、人材などの具体的な強み
- 顧客から実際に評価されている点
分量の目安: 300〜500字
審査員が見ているポイント: 「この事業者に補助金を出す意味がある」と感じるかどうか。強みが具体的かつ固有であることが重要です。
避けるべき表現:
- 「高い技術力」→ 何がどう高いのか不明
- 「きめ細やかなサービス」→ 全員が書く
- 「お客様第一主義」→ 抽象的すぎる
書くべき表現:
- 「○○工程において独自の検査基準を設けており、不良率は業界平均の3分の1」
- 「創業以来○○の製法を維持しており、地域で唯一の○○対応事業者」
- 「Googleレビュー4.7(132件)で、商圏内の同業者平均3.9を大幅に上回る」
<経営計画>4. 経営方針・目標と今後のプラン
何を書くか:
- 今後3年程度の経営方針
- 数値目標(売上、利益、顧客数など)
- 目標達成のための具体的なアクションプラン
分量の目安: 300〜500字
審査員が見ているポイント: 計画が「実現可能か」を判断します。壮大な目標よりも、根拠のある現実的な目標の方が評価されます。
様式3:補助事業計画書②
様式3は、「補助金を使って具体的に何をするか」を詳述する書類です。
1. 補助事業で行う事業名
何を書くか:
- 30字以内で、補助事業の内容がわかるタイトル
- 例:「ECサイト構築による全国販路開拓事業」
- 例:「多言語メニュー・予約システム導入によるインバウンド集客強化事業」
ポイント: 「○○による○○事業」の形式で書くと、手段と目的が明確になります。
2. 販路開拓等の取組内容
何を書くか:
- 補助金を使って具体的に何をするか(手段の詳細)
- 実施スケジュール(○月に何をする)
- なぜその取組が必要なのか(課題との紐付け)
分量の目安: 800〜1,500字(様式3で最も分量が必要な欄)
審査員が見ているポイント:
- 取組の具体性(「ホームページを作る」ではなく「○○機能を持つECサイトを○月までに構築し、○月から○○のキーワードでリスティング広告を開始する」)
- 経営計画との一貫性(様式2で書いた課題をこの取組で解決できるか)
- 実現可能性(自分の能力・リソースで実行できるか)
3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容
何を書くか:
- 販路開拓と併せて行う業務効率化の取組(該当する場合のみ)
- ITツール導入、業務フロー改善、外注化など
分量の目安: 200〜400字(該当しない場合は「該当なし」でOK)
4. 補助事業の効果
何を書くか:
- 補助事業によって見込まれる売上・利益の変化(数値で)
- 新規顧客数、リピート率、客単価などの具体的KPI
- 雇用や地域経済への波及効果(あれば)
分量の目安: 300〜500字
審査員が見ているポイント: 数値の「根拠」です。「売上20%アップ」と書くなら、「ECサイト経由で月○件の注文 × 平均単価○円 × 12ヶ月 = ○円」のように、計算過程を示してください。
審査で加点されるポイント
第19回(2026年)の持続化補助金では、以下の項目で加点が見込まれます。
1. 賃金引上げ計画を有する事業者 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上引き上げる計画がある場合。
2. 事業承継に関する取組 代表者が60歳以上で、後継者の決定や事業承継計画を策定している場合。
3. 過去の持続化補助金の事業効果報告 過去に採択された際の効果報告を適切に行っている場合。
RitsuanAIで計画書のたたき台を作る
様式2・様式3の各欄に何を書くかはわかった。しかし、実際にゼロから書き始めると、最初の1行が出てこないのが現実です。
RitsuanAIは、事業の基本情報を質問形式で入力するだけで、様式2・様式3に対応した経営計画書のたたき台をAIが自動生成します。
RitsuanAIのポイント:
- 質問に答えるだけで構造化された計画書が出力される
- 汎用的な表現ではなく、入力した固有情報を反映
- PDF・PPTでの出力に対応
- 生成されたたたき台を自分で加筆・修正し、商工会議所のレビューを受ける流れが最も効率的
まとめ
持続化補助金の様式2・様式3で最も重要なのは、自社固有の具体的な情報を、審査基準に沿った構成で書くことです。
どの欄にも共通するのは「具体的に」「数字で」「根拠を示して」の3点。抽象的な表現を排除し、あなたの事業でしか書けない内容にすることが、採択への近道です。
第19回の申請締切は2026年4月30日、様式4の発行受付締切は4月16日です。準備は今すぐ始めましょう。